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  • 執筆者の写真青山 由美

石との出逢い(1)


こんばんは。青山由美です。

ブログを始めるご挨拶からあっというまに一週間が経過してしまいました。

今週は毎日が雨模様、こんな時は風邪もひきやすい・・

間も無くやってくる寒い冬に備え体調管理は万全にしておきたいですね。

目に見えない力にぐいぐいと引っ張られ、

ゆだねるしかない流れに身を任せ

連日、「覚悟」に次ぐ「覚悟」を経験しています。

人生のステージが変わるときってこんなものなのでしょうね。

さてさて、現在、宝石を扱っている私ですが

思い返せば、宝石との出会いは

物心ついたころから母の指にみていた『翡翠』でした。

そんな暮らしの風景の中の宝石ではなく

私にとっての「石」についてはじめて意識した日の記憶は全く別の機会でした。

私がまだ高校生だったころ、どういう経緯だったか記憶はないのですが、

万葉学者の犬養孝先生の万葉集の講義に、叔母様たちに混じって、

若者たった一人で参加したことがありました。

今から1300年近く前に詠まれた日本最初の和歌集「万葉集」

そのロマンってどういうこと??? という好奇心だけで参加したのだと思いますが。

有名な(そのころは有名とか知らなかった)犬養節も最前列で聞きました。

信濃なる、千曲の川のさざれ石も、君しふみてば玉と拾はむ

(ぎゃーーー覚えてるし(笑))

犬養先生がその現代訳を関西弁の抑揚をつけて一人芝居のように説明するそれは

歌を詠まれた詠み人の感情が生き生きとそこに躍動していて、

鮮烈な印象いまも瑞々しく記憶しています。

先生の訳はこんな感じだった・・

恋しい、恋しい〇〇ちゃん♡

あなたが踏んだ、千曲川の河原の小石をひとつひろって胸に抱き

私はそれをあなただと思って宝石のように大事にします。

河原の石

あなたに触れた石はあなたそのもの

宝石

今思えば、30年以上前の犬養先生のこのときの台詞のキーワードは

今の私にとっての「石」というものの在り方そのもの。

あの日、はじめて

「石」というものは人が触れることで、その存在に命が宿る・・

その命に灯がともる。

と感じた一番古い記憶のように感じるのです。。

あれから時を経て、今、宝石を扱う私が思うこと

ジュエリーは人が身に着けて初めて生きるもの。

石は人という存在と出逢うことを待っていて、

出逢った人のしあわせに自分ができる限りのことをしようと思っている。

まさしく、ここにしっかり一直線でつながるのですね。

石を扱う仕事を一生の仕事にしようと決めたとき

あの犬養先生のちょっと切ない人の恋心をユーモア交えて、楽しく語っておられた姿

そして、「石」の在り方を懐かしく思い出しながら、

あの時すでに、自分のミッションを生きるキーワードをすでに犬飼先生から投げかけられていたことに人生の不思議を感じます。

あなたが触れることで特別な存在になる

人との出逢いで人生は変わります。

人との出逢いと同じく、石との出逢いで人生も変わります。

ご縁のあった方にとって、人生がうんと豊かになるような、そのきっかけになる宝石を

ご提供することが私の喜び、そして、人生のミッションなのだろうなと思うのです。

まもなく、ジュエリーブランドをご紹介できる日も近いので、

どうぞ楽しみにしていてくださいね。

最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。


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